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理事長挨拶

理事長挨拶

理事長 山本 博士

当団体は横浜の歴史を活かしたまちづくりを推進する団体です。未来の子どもたちに何を残し、伝え、それらをどのように活用してまちの賑わいを創造していくべきか?私たちは常にそのことを考えながら活動しています。

神奈川台場は、幕末に横浜港防備のため勝海舟の設計により築造された巨大な砲台場でした。横浜開港の翌年1860(万延元)年に完成し、専ら外交儀礼上の祝砲を放つ施設として利用されました。台場はその役割を終えた後、横浜の発展と共に埋め立てられてしまいましたが、今もなお地面の下でほぼそのままの形で現存する石積は、近代横浜の誕生と発展を物語る貴重な遺跡だといえます。

公益社団法人 神奈川台場地域活性化推進協会は、主に神奈川台場の保存と活用の推進を目的とし、平成25年4月に設立されました。当団体の前身は1992(平成4)年に設立された「神奈川台場を守る会」で、その後1999(平成11)年に84もの法人・個人会員が結集し横浜商工会議所の外郭団体として発展する形で「神奈川お台場保存協議会」が結成され調査研究活動等を行って参りました。2002(平成14)年にはそれまでの調査結果を取りまとめた『神奈川お台場の歴史と今』を刊行し、地域住民への周知を目的としたまちあるきイベントなども積極的に行っております。近年、台場の遺構を含有するコットンハーバー地区の開発や神奈川台場公園・星野町公園の整備に際し、台場の遺構の保全が実現されたことは、これまでの活動の一定の成果だと考えております。

関東大震災と横浜大空襲により壊滅的な被害を受けた横浜には、開港期の建造物や遺構はほとんど残されていません。開港の翌年に誕生し、外国からの賓客の出入港に際し祝砲を放ち続けた神奈川台場は、開港都市横浜の誕生に関連する象徴的かつ貴重な施設で、その遺構は後世に伝えるべき横浜の宝物といえるでしょう。本物を目で見て触れられる状態で保全を図り、未来の子どもたちへの生きた教材として守り伝えていくまちづくりが期待されています。

今後も周辺地区では東高島地区の再開発などが計画されており、皆様のお力をお借りしながらより一層の活動の強化が求められているところであります。先人が守り伝えてきてくれたこの神奈川台場の遺構を、地域住民の方々、学術団体、そして地元政財界が協力し合い、皆で保存し活用していきたいと考えております。今後も変わらず社団へのご支援を宜しくお願い申し上げます。

公益社団法人 神奈川台場地域活性化推進協会
理事長 山本 博士

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